➁食事
★1日3回のリズムが大切
食事は決まった時間に摂りましょう。
自律神経を整えるには食事も朝・昼・晩の3回というリズムが大切だからです。
中でも重要なのが朝食。「規則正しい生活」で説明したとおり、朝食は時計遺伝子をうまく働かせるポイントとなります。
食事を摂っているときは交感神経が上がり、食後は消化するために副交感神経が上がります。朝起きて仕事を開始し、活動の為に上がった交感神経がピークに達する12時頃に昼食を摂れば、午後に下がり始める交感神経を上げて集中力が持続します。
夕食後にすぐ寝ると、交感神経が上がったままなので十分に消化できません。
就寝3時間前には夕食を済ませるようにしましょう。
③入浴
★ぬるめのお湯で副交感神経を上げよう
入浴は、ぬるめのお湯(39℃程度)にゆっくりつかりましょう。
深部温度がゆっくり上がって、副交感神経が上がります。
熱いお湯につかると急激に体温が上がり、交感神経が上がってしまいます。
就寝前の入浴は、1日の疲れを取りよく眠るためのものです。
41度以上のお湯で入浴すると、血液がドロドロになってしまうという実験データもあるので、高温の入浴は避けましょう。
④運動
★日常的にできる運動を習慣にしよう
適度な運動も大切。
無酸素運動のような過度の運動は交感神経を上げてしまうので、ウォーキングなどの日常で簡単に行える運動で十分です。
電車に乗ったら座らないで立つ、エスカレーターには乗らないで階段を上るなどの習慣をつければ、けっこうな運動量になります。
なるべく歩いて日常的な運動を心がけましょう。
◎運動はいつするのが良いか?
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夕食後から寝る2時間前までに、30分から1時間ほどゆっくり歩くことが理想
(アスリートは別)
◎夜は副交感神経が優位になってくる時間帯なので、激しい運動は求めない
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自律神経を整えることを目的とした運動
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ゆっくりしたウォーキング、散歩(2kmを30分かけて)
◎きちんと横隔膜を上下させて行う【深い呼吸】をしながらするのがベター
★首の筋肉の緊張をほぐす
副交感神経の活性化につながる
⑤呼吸
現段階で自律神経を確実にコントロールできるのは、何かというと呼吸。
呼吸が体に及ぼす影響はとても大きく、一瞬にして体の状態を変えてしまう。
◎緊張したときや、あせったとき、つまり交感神経が過剰になって、自律神経のバランスが
崩れているときは
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‘‘ゆっくり深い呼吸”が有効=副交感神経を刺激
★ゆっくり呼吸すると自律神経が安定する
深呼吸したら気持ちが落ち着いたという経験は、誰にでもあると思います。
深呼吸がなぜ気持ちを落ち着かせるかは、これまでの医学では説明できませんでした。
しかし、自律神経の研究が進むにつれ、仕組みがわかってきました。
呼吸と自律神経は深く関係しており、ゆっくり呼吸すると自律神経が安定してきます。
呼吸をゆったり深く行うことで、副交感神経が上がってくるからです。
副交感神経が上がると血管が弛緩し、末梢まで血流が行きわたるようになります。
指先まで血液がスムーズに循環すれば、細かい運動もうまくできるようになり、体全体の働きも良くなります。
★朝の歯磨きはゆっくり
普段からゆっくりとした呼吸を心がけていれば、副交感神経を上げて自律神経を安定させることができます。
やり方は簡単、ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐き出すだけ。
吸うときよりも吐くときに2倍ほどの時間をかけるのがコツです。
ゆっくり呼吸を習慣にするための簡単な方法があります。
それは毎朝ゆっくり歯磨きする事。
朝の歯磨きは急いで済ませようとする人が多いですが、それを意識してゆっくりやってみて下さい。ほとんどの人は歯ブラシをせかせか動かしますが、そのとき息は止まりがちです。
歯ブラシをゆっくり動かせば、呼吸しながら歯磨きができるはず。
朝の5分間、ゆっくり歯を磨くゆとりある時間を作ってみて下さい。
そうすれば、よい呼吸ができるようになり、余裕をもって1日をスタートできるでしょう。
つづく